2026年4月4日土曜日

清明の意味と由来│万物が清らかで明るくなる春の暦

桜と青空

 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

4月に入り、街中が桜色に染まりどこを歩いても花の香りに

包まれるような心浮き立つ季節がやってきました。


明日4月5日は、二十四節気の第五番目「清明(せいめい)」

にあたります。


「清明」という言葉の響き、とても美しくどこか背筋がすっと

伸びるような清々しさを感じませんか?

本日は、一年で最も世界が輝いて見えるこの季節の物語を一緒に

紐解いて参りましょう。


すべてが輝き、呼吸し始める季節

「清明」という言葉を聞いて、皆さまはどのような風景を

思い浮かべますか?


二十四節気の成り立ちを記した古い暦の書物には、清明について

こう記されています。


『万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり』


冬の間に蓄えた生命力が一気に溢れ出し、すべてのものが清らかで

明るく生き生きとしてくる。

それまで「芽」としか呼べなかったものが、ようやく

「これは何の草花か」とはっきり分かるほどに成長する。


そんな、生命の個性が光り輝く時期が清明です。

花が咲き、鳥がさえずり、風が柔らかく頬を撫でる…

春爛漫の喜びが、世界中に満ち溢れています。


清浄明潔(せいじょうめいけつ)の心

「清明」という言葉は、「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」

という言葉を略したものです。

文字通り「清らかで、汚れがなく、明るく、清潔である」という

意味が込められています。

二十四節気の第5番目、春分から数えて約15日目。

春の盛りを告げる大切な節目です。


中国の「清明節」とお墓参り

中国では「清明節」と呼ばれ、国民の祝日となっています。

日本のお盆のように、先祖のお墓を清めお供え物をして供養する

大切な日とされています。


沖縄の伝統「シーミー(清明祭)」

日本国内でも、沖縄県ではこの「清明」を非常に大切にする文化が

根付いています。

地域を挙げてお墓参りに行き、お墓の前で親族が集まって重箱料理

を食べる「シーミー」という行事は、沖縄の春の風物詩です。

ご先祖さまと共にピクニックを楽しむような、温かく賑やかな光景

が広がります。


農作業の本格化

農事暦としても、清明は重要な意味を持ちます。

種まきや田植えの準備が本格的に始まる時期であり、先人たちは

この清らかな光を浴びながら、一年の豊作を願って土を耕してきました。


空を見上げ、季節の交代を知る

清明の15日間は、空を飛ぶ鳥たちの動きが季節のバトンタッチを

教えてくれます。


初候:玄鳥至(つばめきたる)

「玄鳥(げんちょう)」とは燕(つばめ)のこと。

南の国で冬を越した燕たちが、日本に帰ってくる頃です。

軒先に巣を作り始める燕の姿を見かけると、

「あぁ、今年も春が来たな」と心強い気持ちになりますね。


次候:鴻雁北(こうがんかえる)

燕と入れ替わるように、冬の間を日本で過ごした雁(がん)などの

渡り鳥が、北の国へと帰っていく頃です。

去りゆく冬の鳥を見送り、やってくる春の鳥を迎える。

空の上でも、静かな交代劇が行われています。


末候:虹始見(にじはじめてあらわる)

冬の乾燥した空気が去り、春の柔らかな雨が降るこの時期。

雨上がりの空に、今年初めての虹がかかる頃です。

清らかな光と水が作り出す虹の橋は、清明という季節の象徴

そのものかもしれません。


春の光を全身で浴びて

一年で最も美しいと言われるこの季節。

忙しい日常から少しだけ離れてこんな過ごし方をしてみては

いかがでしょうか。


「お花見ピクニック」で心に栄養を

桜はもちろん、桃、菜の花、チューリップ…

清明の時期は、色とりどりの花たちが一斉に競い合います。

豪華な宴会でなくても構いません。

お気に入りのお弁当を持って、近所の公園でただ静かに花を眺める。

そんな時間が、冬の間に溜まった疲れをさらりと洗い流してくれます。


燕の巣探しと、小さな命へのエール

駅のホームや商店街の軒先など、燕が巣を作りそうな場所を

意識して歩いてみてください。

一生懸命に泥や藁を運ぶ燕の姿には、生命の尊さが

詰まっています。

「今年もおかえり」と心の中で声をかけるだけで、優しい気持ちに

なれるはずです。


春の山菜や野草を食卓に

たけのこ、わらび、ぜんまい…

山菜採りに出かけるのは難しくても、最近はスーパーでも

春の香りが手に入ります。

清明の光をたっぷり浴びて育った山菜をいただくことは、体の中に

「清らかなエネルギー」を取り入れる最高の方法です。

私は山菜の天ぷらが大好きなのでぜひ味わいたいところです♪


新生活の「新しい習慣」を定着させる

4月はスタートの時期。

新しい仕事や環境に少し慣れてきた今こそ、小さな習慣を

始めてみませんか?

「朝5分だけ窓を開けて空気を入れ替える」

「日記を一行書く」。

清明の清らかな気に乗せて始めたことは、きっと清々しく

育っていくはずです。

私も今月から新しいことを始めようと準備をしているところです!


春の衣替えを完了させる

まだ少し肌寒い日もありますが、清明を過ぎたら冬物とは

完全にサヨナラ。

クローゼットを明るい春色に整え、冬の重いコートをクリーニング

に出す。

物理的に身軽になることで、心も軽やかにアップデートされます。

最近は4月下旬にもなると暑くなってくるので短い春を楽しみたい

ところですね。


写真を撮りに出かける

光が最も明るいこの時期は、スマホのカメラでも驚くほど綺麗な

写真が撮れます。

道端の名もなき花や、雨上がりの雫。

自分だけの「清明」を切り取って、誰かと共有するのも

素敵ですね。

私は風景の写真を撮ることが好きなので、この時期は

いつもよりワクワクしてしまいます♪


あなたはどんな「清明」を過ごしますか?

私は「清明」という言葉を知る前はこの時期の明るさを、ただの

「天気の良さ」だと思っていました。


だけど、暦を意識してみると、この光はただの明るさではなく、

万物が「命の扉」を全開にしている、生命の輝きそのものなのでは

ないかなと気づかされました。


すべてが清らかで、すべてが美しい。

そんな「清浄明潔」な世界の中で、私たちは生きています。


皆さんが今日見つけた、清らかで明るい風景はどんなもの

でしたか?

「燕の鳴き声が聞こえた」

「桜吹雪が綺麗だった」

「春の風が心地よかった」

そんな皆さまの清明のエピソードを、コメント欄で教えて

いただけたらとても嬉しいです。


外に出て、大きく深呼吸をして。

全身で春を、命の輝きを感じる時間を過ごしてみてくださいね。


次回は、百穀を潤す恵みの雨が降る「穀雨(こくう)」の頃、

4月19日に『穀雨とは?春の恵みの雨が降る暦の話』と題して

お届け予定です。


ご感想やリクエストなどはコメント・お問合せ欄のほか、

下記のお問合せフォームでも受け付けています。

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それでは本日はここまで。

皆さまの毎日が、光に満ちたものになりますように。


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初めまして。 水に紫と書いて「みあ」と申します。 本日より「季節の便り、暦のあれこれ」を始めることになりました。 どうぞよろしくお願いいたします。   こちらでは二十四節気や七十二候、年中行事や雑節などの暮らしの中に ひっそりと息づく “ ニッポンの暦 ”...