2026年9月6日日曜日

白露とは?秋の七草が咲く季節|暦で知る本格的な秋

 

ピンクのナデシコ

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

厳しい残暑も少しずつ落ち着きを見せ、朝夕の風に混ざる

「ひんやりとした涼しさ」が心地よい季節になってきましたね。


カレンダーは9月へ。

2026年は97日に、二十四節気の第十五番目

「白露(はくろ)」を迎えます。


前回の「処暑(しょしょ)」で暑さにようやく終わりが見え、

今回の「白露」でいよいよ世界は「本格的な秋」へと

足を踏み入れます。


今回は、草木に輝く白い露の美しさや、この時期に咲き誇る

「秋の七草」の魅力、そして秋の深まりを五感で楽しむ

心地よい過ごし方について、たっぷりお届けいたします。


温かいお茶を淹れて、秋の訪れを一緒に感じていきましょう。


前回の立秋と処暑についてはこちら↓

立秋と処暑とは?暦で知る秋への移ろい|夏から秋への準備


夜明けに白く輝く露と、秋本番の訪れ

「白露(はくろ)」という名前を聞いて、皆さまはどのような

情景を思い浮かべるでしょうか。


夏の湿った空気が抜け、空気が澄み渡るこの時期。

夜の間に冷やされた大気の湿気が、草木や花びらの上に

小さな「露(つゆ)」となって結ばれます。


早朝、まだ誰も踏み入れていない庭や公園を歩くと、

朝日に照らされた草葉の露が、まるでダイヤモンドのように

キラキラと白く輝いている姿に出会えます。


これがまさに「白露」の由来であり、秋本番を告げる風物詩です。

野山や街角では「秋の七草」が静かに花を開き始め、

自然の色彩が真夏の鮮やかさから、落ち着いた秋の色調へと

変化していきます。


寒暖差が織りなす「白」の正体

白露は二十四節気の第15番目、立秋・処暑に続く

「秋の3番目の節気」です。


ここを過ぎると、昼と夜の長さが等しくなる

「秋分(しゅうぶん)」へと向かっていきます。


なぜ露が「白く」見えるの? 

もちろん、水滴である露そのものは透明です。


しかし、早朝の斜めに差し込む強い陽光を浴びると、

キラキラと光を反射して白く輝いて見えます。


また、昔の中国の陰陽五行説では「秋」を表す色が

「白」とされていたため、秋の訪れを象徴する言葉として

「白露」と名付けられました。


昼夜の気温差と、秋の収穫

白露の時期は、昼間は過ごしやすい秋晴れになる一方、

明け方の冷え込みが一段と強まります。


この大きな寒暖差こそが、お米の実りを確かなものにし、

果物の甘みをギュッと引き出してくれる自然の恵みなのです。

昔の農家の人々にとっても、秋の収穫がいよいよ本格化する


喜びの季節でした。


空と大地の小さな引っ越し

白露の15日間をさらに5日ごとに分けた「七十二候」では、

生き物や植物たちが秋の深まりに合わせて

静かに移動していくプロセスが描かれています。


草露白(くさのつゆしろし)97日〜12日)

草の葉に結んだ露が、朝日に光って白く輝く頃です。


本格的な秋の到来を、一番身近な足元の自然が教えてくれます。


鶺鴒鳴(せきれいなく)913日〜17日)

 水辺で「チチチッ」と可愛らしく鳴きながら、

尾羽を上下にフリフリと振る鳥「セキレイ」が

元気に鳴き始める頃です。


澄み渡る秋空に、鳥たちの声が心地よく響き渡ります。


玄鳥去(つばめさる)918日〜22日)

春先に日本へやってきて子育てを終えたツバメたちが、

暖かい南の島へと旅立っていく頃です。


「玄鳥(つばめ)」の「玄」は黒いという意味。

春の七十二候にある「玄鳥至(つばめきたる)」と対をなす、

季節の去り際を感じさせる風情ある景色です。


萬葉の時代から愛される野の花

春の七草が「無病息災を願って食べるもの(七草粥)」であるのに

対して、秋の七草は「目と心で鑑賞して楽しむもの」です。


万葉集の歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)が読んだ歌が

きっかけで定着したと言われています。


可憐でどこか控えめな、秋の七草7種をご紹介いたします。


萩(はぎ)

【花言葉】思案、はかない恋


秋の七草の筆頭。


しなやかな枝に紫ピンク色の小花をたくさん咲かせます。


おはぎの由来にもなっている花です。


尾花(おばな=ススキ)

【花言葉】活力、心が通じる


風に揺れるススキの穂が、動物の尾に似ていることから

「尾花」と呼ばれます。


十五夜のお月見には欠かせない風物詩です。


葛(くず)

【花言葉】夫婦円満、努力


根っこから葛粉(葛餅や葛根湯の原料)が取れる葛。


秋になると、甘い香りのする赤紫色のきれいな花を咲かせます。


女郎花(おみなえし)

【花言葉】美人、はかなさ


細い茎の先に、黄色い小花をパッと傘状に咲かせます。


しとやかで美しい女性に例えられてきた花です。


藤袴(ふじばかま)

【花言葉】ほのかな恋、ためらい


藤色の花が筒状に咲き、その形が「袴(はかま)」に

似ていることから名付けられました。


桜餅のような甘い香りがします。


桔梗(ききょう)

【花言葉】誠実、変わらぬ愛


星型の鮮やかな紫色の花が美しい桔梗。


つぼみが風船のようにふくらむ姿も愛らしいお花です。

万葉集の時代には「朝顔」と呼ばれていたという説もあります)


撫子(なでしこ)

【花言葉】大胆、純愛 


「大和撫子」の由来でもある花。


ギザギザとしたピンク色の花びらが可愛らしく、

愛でたくなる姿をしています。


豪華絢爛なバラやヒマワリとは異なり、風にしなやかにそよぐ

野草たちの佇まいは、昔から日本人の奥ゆかしい美意識を

魅了し続けてきました。



日常のなかに秋を摘み取る

秋の七草は、特別にお花屋さんに行かなくても、

近所の公園や川沿いの散歩道、あるいは植物園などで意外とすぐに

見つけることができます。


野山や散歩道での「七草探し」 

お散歩の途中に「あ、これはススキ!」

「あっちに黄色い女郎花が咲いているな」と宝探し感覚で

探してみるのがおすすめです。


写真や押し花で季節を記録する 

出会った秋の花をスマホで写真に収めたり、綺麗に落ちている

萩の花を押し花にして日記や手帳に挟んだりしておくのも素敵です。


あとで見返したときに、その日の空気感まで思い出せますよ。


植物園の「秋の七草コーナー」へ 

自生しているものを見つけるのが難しい場合は、

お近くの植物園の企画展などを訪れてみるのもおすすめ。

7種が一堂に会した姿を鑑賞できます。


五感を澄ませて、秋と調和する

白露の季節、現代の私たちが心と体を健やかに整えるための

過ごし方のアイデアをご紹介いたします。


「早朝散歩」で露と朝日を楽しむ 

少し早起きをして、朝日が昇る直後くらいの時間に

お散歩に出てみましょう。


葉っぱの上の露が朝日に輝く瞬間や、露がついて

ビーズ細工のようにキラキラ光る蜘蛛の巣など、

早朝だけの芸術に出会うことができます。


秋の風景をスケッチや日記に残す 

秋の空は高く、うろこ雲や夕焼けがとてもドラマチックです。


カフェのテラス席などで、感じた風の冷たさや空の色を

ノートに書き留めてみませんか。


秋分に向けて体と心のバランスを整える 

夏の間の「外へ外へ」と向かっていた活動的なエネルギーから、

少しずつ「自分の内側」を見つめる静かな時間へ。


白湯を飲んだり、夜のストレッチを念入りに行ったりして、

秋分(923日)に向けた心身の準備を始めましょう。


草木とともに輝く秋へ

白露の季節は、一滴の露や一輪の野花が、真夏の喧騒を

忘れさせてくれる静かで豊かな時間です。


カレンダーの数字だけでは捉えきれない、自然の繊細な表情に

目をとめること。


それこそが、忙しい日々の中で心をふっと軽やかにしてくれる

「暦の知恵」なのだと感じます。


皆さまはこの秋、どんな秋の七草や季節の風景と出会いたいですか?


「近所でススキを見かけました!」

「お散歩途中に綺麗な秋空を撮影しました」

「昔、撫子を育てていました」など、

皆さまの周りの「白露の便り」を、ぜひコメントなどで

教えていただけたら嬉しいです。


ご感想やリクエストなどはコメント・お問合せ欄のほか、

下記のお問合せフォームでも受け付けています。


また、Pinterestではお勧めの過ごし方を抜粋してご紹介しています。

あわせて見ていただけますと嬉しいです。

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季節の変わり目、どうぞ朝晩の冷え込みには気をつけて、

温かくしてお過ごしくださいね。


読んでいただきありがとうございました。


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はじめに|日々に息づく季節を感じる私の始まり

初めまして。 水に紫と書いて「みあ」と申します。 本日より「季節の便り、暦のあれこれ」を始めることになりました。 どうぞよろしくお願いいたします。   こちらでは二十四節気や七十二候、年中行事や雑節などの暮らしの中に ひっそりと息づく “ ニッポンの暦 ”...